2019年3月9日土曜日

FC展開をするセブンイレブンの限界。。。

セブンイレブンとオーナーによる、営業時間短縮議論が騒ぎになっている。
これまで、セブンイレブンによる、FCへの圧力というのは有名で、値引き販売を許さないとか、賞味期限の期日が早すぎるとか、問題ばかりクローズアップされている。

また、FCオーナーからすれば、人件費の高騰と募集しても集まらないなど、店舗営業における人材確保が難しいと言われている。
そして、本部加盟料負担増、仕入れ圧力、在庫負担、年間を通じて、恵方巻、クリスマスケーキ、年賀はがき、おでん、など、キャンペーン地獄とまで言われている。

さて、FC展開は飽和状態、一社独走状態に陥ると、その強シェア力で取引先に強引な値引きをしたり、FC加盟店には過重な販売負担を強いることが、過去のFC事業を行った企業を見ても明らかだ。

そして、そこから落ちぶれて行くのもまた歴史の必然だろうか、どこも弱体化の一途をたどり始める。
今後もセブンイレブンがコンビニ最強だとは、絶対に言い切れないのだ。

本来FC事業とは、WiN-WINの関係が基本となる。
つまり、本部は顧客とオーナーからの信頼関係で成り立っている立場で、ホントは立場が弱いのだ。
しかし、何を勘違いするのか?独走状態やシェア1位が続くと勘違いしてしまいやすい。
信頼関係が壊れた時点で、終焉を迎えたと言って過言ではないと思う。

FC展開で大きく成長した企業は数多くあるが、小僧寿しチェーンもそうだったと思う。
回転ずしや宅配寿司に押されていると言われているが、実態はFCそのものが儲からなくなって、撤退、更新の中止などが決まったからだ。
また、それに伴って、新規FC加盟も減ったのだ。

ほっかほっか亭もFC店と揉めた結果、別事業を立ち上げ、ほっともっとという弁当屋が生まれた。
どこだったか?忘れたが、似たように分裂したFC事業はいくつかあったはずだ。

また、昨今は少子化が原因と言われているゲームショップの相次ぐ閉店だが。
これも、ゲオが躍進する中、他のチェーン店は閉鎖、廃業を余儀なくされている。
この差はなんなのか?

FC店舗展開は一定規模を超えると、本部一つでコントロールするのが難しくなる特徴がある。
原因は様々だが、一つに地域性がある。
また、オーナー独自の販売戦略と合致しない事もあるし、個別の事案に対処できないというのが主な原因だ。

「現場の声に耳を傾けろ」とは言うが、実態はそう簡単ではない、全体の仕入れや売上などを総合的に分析する本部と、自店のみの顧客層などを独自に分析するオーナーとでは、衝突しやすいと言える。

以前自分は家電量販店に勤務していたが、地域性を大事にした戦略から、全店統一的方針に変わり、大量仕入れ、統一した販売戦略、などに舵を切って、販売に苦しむ一部地域店舗を知っている。
同じ日本であっても、売れる品、顧客の層、シェア率など、全て条件が異なるのだ。

これを本部直営がやっているなら、現場の声も届くだろうが、FC展開をしている企業は、必ずと言っていいほど、現場の声を段々聞かなくなる風潮がある。

それは、ひとえにメーカーと交渉して原価の掘り下げ、大量仕入れによる拡大路線を止められないからだ。
拡大路線の生命線はFC加盟である。
大量加盟店募集をした2010年頃から、すでにこの状況に陥る事を、自分は予想していた。

大量仕入れは、大量出店によって支えられている。
また、その原動力は24時間営業によるフル生産、フル配送、フル販売だ。
という事は、本部はFCと対立してまでも、24時間営業は止められない。

もし、24時間営業を短縮させるのだとしたら、まず問屋、メーカーと交渉しなくてはならない。
数量の調整、配達時間の調整、それによるリベート、コスト計算のやり直し、前例のない事から、前年対比で販売予測、利益計算などをやり直す必要もある。

つまり、FCとの時短営業は「本部vsFC」という単純な構造でないのだ。

だが、これまで急成長をして来た立役者である、FCの言い分をこれまで通り排除する事は出来ないだろう。
そうすれば、過去のFC事業のように大量離反、別事業の立ち上げ、集団訴訟、、新規加盟店の減少、更新中止、株価低迷による株主からの追及、顧客離れ、問屋・メーカーとの交渉難、銀行との融資問題、利益率の低下、シェア率の低下、と多くの問題を抱えたまま営業体制の見直しを迫られ、本部だけでは解決しきれないほどの問題を抱える事となる。

これが、FC事業が失敗して失速から墜落へと行くプロセスだ。

これらは、すべて過去の事例からあった出来事ばかりなので、バカでも分かる理論なのだが、これが出来ないから、FC事業はピークを過ぎると、失速し墜落するのだ。

「もし止めた時のリスクが高い」と人間は判断する。
しかし、その後はもっと大きなリスクがある事を予測できない。
今を乗り切る事しか考えていない販売戦略に、100年続くような商売を説いた所で、理解されるはずも無かろう。

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