2007年10月デオデオ佐賀本店ネバーランドに転勤した時、一番最初に思ったのは「おもちゃ、ゲーム、ディスク、3つあるうち、ゲームから立て直さないとダメだな」という事で。
これには売場をいじるのに3か月かかり、部下に仕事を覚えさせて習慣化させるのに半年くらいかかった。
結局、10月に赴任して棚割りは12月までになんとかなったけど。
ほぼ毎日、ずっと棚を入れ替えて高さ、奥行き、段数、角度、プライス、すべてに手を入れる事をほぼ一人でこなしていた。
まあ、人を投入しても、まず僕の言ってる意味がわからないはずなので、指示するだけで済むならこんな面倒なことなどしやしない。
そして、翌年6月にPS3のメタルギアソリッド4も発売されて一息ついたころ。
ディスク売場のパートさんが横目で「うちもなんとかしてください」と懇願してきた。
まあ、順番的にそろそろだとは思っていたのだけど。
とりあえず、パートさんに本部に売場いじっていいか?確認取ってくれとお願いし、「OK出ました」というので、僕が売場の図面をExcelで書き起こして「この棚割りにして」と担当者にやらせた。
僕はディスク販売の経験がないので、ハッキリ言ってよくわからないの。
けれど、それはデータ上での販売量がわからないだけで、どれを軸に売ればいいのか?ここはわかっている。
ゲームの担当者も暇そうにしてたので、応援で入れて2名体制で棚割りの大幅な変更をかけた。
基本やったのはこれだけで。
あとの事はすべてパートさんにお任せ。
だが、棚割りの変更にかかった日数で言えば2週間くらい。
そこから劇的に数字が上昇し、エリア最下位だった佐賀本店のディスク売場は、エリアで一位になっていた。
これに嬉々として喜んでいたのは、当然担当者のパートさんだった。
しかも、「これまで何度も本部さんがやって来て、直したのに、一度も数字が伸びた事がなかったのに、なんで?」とまるで魔法でも見たかのような感じだった。
理由は簡単でな。
当時、洋画DVDは2枚セットで1980円、3枚セットで2980円なんてことやっていて。
韓流ブームも終わり、ヨン様ブームも終わっていた。
僕の目利きだと「アニメは順調に売れている」なんで。
アニメの棚を広げただけ。
実は、洋画、邦画、これだけで売上の6割あるのだが、基本、1本売れたら終わりよ。
けれど、アニメってテレビシリーズやBOXが基本なので、1つで終わらない、6巻セットとか12巻セットとか、上下巻BOXとか、そういう買い方に基本なる。
しかも値引きもせずにだ。
軽く3万、6万という売れ方をするんでな。
けれど、販売構成比で言えば15%くらいしか無いので、会社としては見向きもしないわけ。
だから「アホだ」と僕は入社した93年頃から、ずっと言い続けていたので、今回担当責任者として好きにやらせてもらえるので、証明して見せただけなのだ。
次に「単価」の問題、1枚5千円する旧作DVDを2枚、3枚セットで半額以下という単価を下げる事をやってるのだから、何枚売っても売り上げにならんわけ。
だったら、まだ出始めのBDディスクを広げればいい。
BDは単価も高く、安売りもしてなかった。
しかも、「男はつらいよ」とか「釣りバカ日誌」のような旧作BDでさえ定価で売ることが出来た。
そして、新作アニメのBDの販売は好調だった。
1スパンあったものを5スパンへ、その後さらに7スパンまで広げる予定で棚割りを変更した。
これで、今まで持っていた在庫のまま。
何も変えていない。
見せ方を変えただけ。
僕はこの棚割りを変更するだけの手法を「あるように見える」理論と名付けている。
それだけで、簡単にエリアで1位になったわけだ。
商品の補充発注他、すべてパートさん任せ。
細かな数字も基本、報告を受けるだけにしてたし、僕は棚割りを考えただけだった。
DVD、BD、CDの販売ノウハウってのは、一応テレビゲームの応用でしかない。
あとは、2007年の11月頃、2008年1月に発売さる予定の新作DVDで「みなみけ」のポスターをパートさんが張り替えてたんで「ああ、これ売れるよ」と一言。
それを聞いたパートさんが、いつの間にか多めに発注してたらしい。w
なので、発売日にドンピシャ大成功だったと言っていた。
さらにその後、3期が放映されていて「あ、今度はこれ売れんで」と忠告しておいた。
そしたら、マジで売れなくて、パートさんが「宮本さんが売れないというから、本部の発注本数減らしてもらってて正解でした」と言っていた。
1期、2期は順調に売れてたのだけど。
3期は基本絵柄も変わってしまい、お話もつまらなくなっていたので、売れないと踏んでいたの。
そして2007年に出ていた劇場版エヴァンゲリオンのDVDが発売されて、巷で「無いか無いか?」と大騒ぎになってたらしい。
発売時期的に「なんかおかしい」と直感的に思い、それでパートさんが「再入荷の目途立ってないんですけど、どうします?」と聞いてきたので、ゲーム担当の部下に「ちょっと調べろ」と指示を出したら「宮本さん!わかりました!」と報告にやって来た。
「あれは初回特典でセル画がついて来るんですが、何が当たるかわからないそうで、それであたりを探してるみたいです」と。
速攻でパートさんに「追いかけるな」と忠告した。
そしたら、マジで再入荷分から動きが停まった。w
再入荷分にはセル画はついてなかったからだ。
他店は、勢いに任せて再発注かけてたから、余ってたらしい。
僕はこういう形でしかディスク売場に関わっていないのだけど。
指示したことは、キッチリ守ってくれるパートさんのお陰で、かなり良い数字が残せた。
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