90年代までは洋画の金曜ロードショーだった。
あの頃は日曜洋画劇場もあったし。
洋画三昧な時代だった。
けれど、すでに「これからのトレンドはアニメにシフトするはず」と思っていて。
その最大の理由はアニメを見て育った世代が自分ら以降だからだ。
作品のクオリティも向上しつつあって、大人が視聴するのに違和感もないものが増えていた時期だし。
ただ、一般にまだ認知されていないだけであって。
これからすそ野は広がり、年齢層が上がるので、アニメ市場は必ず伸びると踏んでいた。
その動きに変化を起こしたのがテレビドラマ「電車男」だと思っていて。
あそこを起点に「オタクへの偏見」という風潮が一気に世間から引いていったように感じる。
それまでは「オタク=宮崎勉→危険人物」という恐ろしい構図が成り立っていて。
こればかりは世代が一つ以上繰り上がらないと治らない病気みたいなものだと思っていた。
あれから世代が2つか3つくらい繰り上がり「宮崎勉」という名前すら記憶から忘れ去られようとしている。
だが、そんな時代の中現れたのが「青葉真司」だ。
こいつのやらかしたことは宮崎勉とは全く別次元で重い。
殺した人数も多いが、それ以上に作品や業界まで抹殺しかねない行為であり、A級戦犯クラスの犯罪人だと思っている。
宮崎勉という歪んだ人物像はマスコミが作り出した虚像であり、本人の人格が歪んでいる事とは対照的だと感じている。
だが、青葉真司が起こした事件は、業界人の抹殺であり、人材の抹殺であり、作品の抹殺に他ならない。
さて、話は少し戻るが。
90年代からアニメ・ゲームという二軸論が自分の中にはあって。
「オタクは時代の先端を行きすぎた人種」と捉えていた。
これは店に立っていて客層を見ていて思い至ったもので。
「オタクを人間扱いしない世間を不当差別」と感じていたからだ。
ほとんどのオタクは大人しく、静かで、自分の趣味に邁進してるに過ぎない。
よく「彼女がいない」とか「二次元が彼女」なんて言う人がテレビに出て来ては変人扱いされていたが。
別にそれは「どーでもええがな」であった。
逆を言えば、「その人が彼女にしたいと思えるほど、魅力的な異性が近くに存在しない」でしかなく。
いくらおしゃれをして、化粧して、香水をつけていても、そういう男性は振り向かないってだけだ。
根本的な異性としての魅力を失った女性に性的好奇心を抱かなくて当然だろう。
「見た目が女であって、中身がおっさん」なんて女性が多かった時代だしな。
また、世間が求める女性像というものも変化してる最中で。
アイドルブームが過ぎ去りし頃。
同時に声優アイドルなんてものが現れ始めていて。
「ああ、これからのアイドル像ってこういう形か」とさえ思っていたころだ。
ここに早くから着眼してたからこそ。
ディスク売場の人間には「もう少しアニメやゲームの音楽やDVD増やした方がいい」と言い続けていた。
「まあ、少し早いが、どの道、そっちに流れるはず」ってのがオイラの考えだったんでな。
結局、それが実現したのは、オイラが事実上初めてディスク売場の担当をした2008年の佐賀での事。
この時、会社の方針とは真逆の事をやりまくったわけだ。
が、、、エリア最下位?全店最下位?だった佐賀のディスク売場はエリアで一位になったらしい。
全店はよく覚えてないが、上位に食い込んではいたはずだ。
上位にはもっとデカイ店が数店あるんでな、簡単には一位にはなれんのよ。
同じ商品を扱っていても、やり方、見せ方を変えれば、数字は明らかに変わる。
それは客層を見て判断してるに過ぎない。
金曜ロードショーが5週連続でアニメをやる時代がやって来ただけの事であり。
なんら驚かない。
ただ、次の一手が見えないのも事実なのだ。
アニメ・ゲーム二軸論も、そろそろ限界なのか?
それとも、今後も成長し続けるのか?
カギは恐らく「世界マーケット」だと思っていて。
国内ではあらかた開発が進んでしまったので、未開拓地と言えば海外しか思い浮かばないのだ。
けれど、アニメ業界も出版業界も、世界を向く気配は薄く、ようやくyoutubeなどへ配信が始まっているだけ。
全く遅すぎる。
海外マーケットに着目したのは、2009年か2010年ごろからで。
アニメフェスが海外で開催されていたり、違法ビデオや違法配信が急激に増えていた時期だからだ。
つまり「需要はある」と見てたって事。
これも早い時期から「著作権持ってる所が本気でやってないのが悪い」と断言していて。
違法アップロードを取り締まるより、本家本元がきちんと翻訳して出せば済む事なのだ。
あと、余談だが。
先日、オークションやフリマでDVDソフトの中古相場や取引量をチェックしてみた。
もう駄目だね。
ディスク自体の需要が全くない。
ネット配信の時代に切り替わってる。
スマホ一台で済む時代。
ディスクなんか入れるところも無いのだから、当たり前だろ。w
コロナ下にあって、DVDがあれだけ安く売られていても、あまり余っているという事は、すでにネット視聴に切り替わっているって事。
2011年の震災の時はレンタルビデオショップからすべてのビデオが貸し出し中になったわけだが。
あれから9年。
すでに多くのレンタル屋は倒産した。
それだけオンデマンドの時代へシフトしたと言っていい。
これからはディスクを扱うお店はマニアックで、少数の現物思想を持ったマニアしか来店しなくなる。
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