2022年5月14日土曜日

ONKYOの倒産に思うこと・・・( ̄▽ ̄;;)

 ONKYOの倒産、少し話をしようか。

僕が具体的に考えていたのは、「サウンドボード」的なものとか、外部スピーカーとか、多岐にわたる。

当然、マイクやヘッドフォン、プロ用機材とかもだ。

で。

あの頃だと、まだPC9821が主力だったし、その後、DOS/V互換のバリュースターになっても、NECの牙城が一番高かった頃だ。

それまで日本で「サウンドボード」と言えば「YAMAHAのFM音源ボード」とか「RolandのMIDI音源」とかが主流で。

DTMは多少高根の花だけど、まだ他社が入り込む余地はあったと僕は思ってる。

実際、YAMAHAが初音ミクを投入して成功しなければ、今のYAMAHAはありえない。

RolandもPC向け需要に対応したラインナップを強化して、今に至るわけで、少しでもPC需要を見誤った事をすれば危機に瀕してた可能性はある。

で。

この頃、弱小メーカーで無名だったのが「クリエイティブ」だ。

今でこそ、PC用音楽機器だと、そこそこ名の売れたメーカーだけど。

90年代だと全くの無名だった。

作りも安っぽいものが多くて。

「これ大丈夫か?」と思えるような代物が多く。

とても高音質化できるとは思えない作りだった。

けれど、何年もかけて技術を蓄積し、改良を重ねて、今ではかなりシェアを持っている。

90年代末期、ONKYOはPC接続機能を次第に標準装備するようになるのだが。

僕からすると「遅い」の一言である。

しかも、USB接続とか、対応OSだとか、様々な条件があり、対応機器のアップデートもほとんどしなかったので、取り付けたはいいが、あまり活用されないわけだ。

90年の後半と言えば、コンポの小型化が一気に進んだ時期であり。

「高音質の限界」に近づいていた。

つまり「これ以上小さく作ると、しっかり音が出せない」ということ。

とは言え、この流れだとさらに小型化を求められ、高音質化も求められるのは必然で。

価格も低価格競争になるので、分が悪い事は明白だった。

だから、早い段階でPC市場に参入して、ブランディングを構築し、オーディオ市場で作り上げたINTECシリーズのような、新たな戦略的シリーズを投入すべきだと考えていたわけだ。

いくら具体的なプランを営業に提示しても。

「宮本さん、いくら下の者が言っても、上は変わらないですよ」という。

「うちはそういう会社なんで。」「社長や役員も親族ばっかりだし」と愚痴をこぼす。

そして「それに私が定年するまでは会社あるでしょうから、それ以降のことまでは責任持てませんよ」だった。

ここまでを聞いて「ああ、この会社ダメになるな」と直感的に思った。

今すぐではないけれど、将来、倒産という可能性の芽があると。

それがついにやって来たということだろう。

恐らく、僕の頃、担当してた営業はもうさすがに定年で辞めてるだろう。

けれど、もし生きてたとして、このニュースを見て、30年近く前に僕が散々、言っていた事を思い出すだろうか?

オーディオメーカーがバタバタと潰れ始めたのが90年代。

この時から、すでに倒産への道筋はついていたのだと、僕は思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿