2022年9月27日火曜日

ゲーム業界の営業スタイル

 僕はゲーム業界ってのは、「頭下げて売ってくださいと言えない業界」と言ってるんだけど。


その理由を考えた時。

1、そもそも子供相手の商売だった。

2,とにかくビックリさせればみんな驚いた。

3,新しい物を用意すればどんどん買ってくれた。


という風に捉えていて。

これを「ビックリ箱商法」と呼んだらいいと思った。


いわゆる、「子供だまし」なわけだ。


「HD、4k、8kでこんなにきれいですよ」

「こんなデカキャラ表示出来てすごいでしょ」

「高速処理でこんなにすごいですよ」

「大容量でもっとすごいこと出来ますよ」


まあ、だいたいこんな売り方をしてきたわけだ。


だから、必然的に開発者がユーザーに向けて発表する時は「期待してお待ちください」なわけ。


けっして「お願いしますから、買ってください」とは言わない。


それはマジシャンと同じ理屈だからだ。

マジシャンが「お願いします。騙されてください」なんて言わないのと同じ。


けれど、これを健全か?といえば、そう思わない。

では、なぜ?それが成立するか?だ。


理由は「そもそも子供相手の商売だった」に起因する。

これが大人相手だったら、丁寧な接客、カタログ、知識を駆使しないと、物は売れない。


子供はそんな面倒なことに興味を持たない。

そして、そのまま大人になって、企業も大きくなって、みんなこれが「当たり前」になっただけなのだと思う。


実に下らない理由だ。

だが、15年くらい前から、任天堂は変わった。

一般ユーザー、そして大人にゲームを買ってもらうために、カタログを用意し、丁寧なPVを製作するようになった。


任天堂が未だ、なぜ強いのか?

ここをきちんと理解してない人は多い。

未だに「任天堂にはマリオがあるから」という。

確かにそうだが、それだけではない。


きちんと、多くの人に買ってもらう努力をしているからだ。

それが15年前に立ち上げた「ゲーム人口の拡大」路線なわけだ。


任天堂の営業は店によく臨店もする。

臨店前には事前に電話してきて、店側の配慮もする。

店側の意向も聞き取る姿勢になったし、明らかに山内社長時代とは違うと感じた。


山内社長時代の任天堂は明らかに「売ってやる」だった。

きちんと「販売店様」と頭を下げる営業がやって来て、必要な情報を提供して帰って行く。


それをSIEがやったか?といえば「やってない」の一言に尽きる。

未だに「売ってやる」という姿勢のままだ。

それが現状のPS5の販売力を示していると僕は思う。

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