2019年1月11日金曜日

今年は恵方巻の販売について農水省が文書で通達したらしい。

今年は恵方巻の販売について、農水省が「需要に見合う販売を」と業界団体に呼びかけ、初めて文書で通達をすることとなったらしい。

まあ、スーパーもだろうけど、コンビニも酷いしな。
フードロスを削減するためにも、必要な措置だろう。
また、コンビニオーナーからすれば、「廃棄する量=損」そして本部からすれば「仕入れ量=利益」なので、この歪んだ構図にもメスが入って欲しいものだ。

年がら年中セールしてた家電量販店は商品が腐らないけど、あれもやり過ぎると、旬を過ぎたり、売り場担当者が疲弊するんだよな。

そのくせ「適正在庫」「月内在庫」「キャッシュフロー」って言うのに「本部一括」でジャンジャン仕入れて来るし。。。

在庫を圧迫している原因が本部からの仕入れだという。w
さらに、その商品はメーカー共同開発だったり、オリジナル商品だったりするから、仕入れを止めるわけにも行かない。

結果、押し売りのような販売が一部のお店で起きたりする。
これは担当者の怠慢だと思ってるのだけど、「あるもの販売」って単語があって、ある在庫を優先して販売するという手法なのだけど、本部一括が絡むとこの傾向が強まるのよ。
オイラは、それが起きない程度に在庫をコントロールしてたけど。
ホント、性能や機能的に優位でないオリジナル商品は作らない方がマシだと思えた。

とはいえ。
電器屋のオリジナル商品ってのは、粗利が高いのが魅力なだけなので。
「お客さんの為に作りました。」と言いつつ、実態は会社の儲けの力学が一番大きいのだ。

稀に、メーカーの思惑と本部の思惑と店の思惑と、顧客のニーズが合致する時があるくらいで。
各メーカー毎に、オリジナル商品を開発してたら、全体の在庫量を調整するのが大変になるわけだ。

だが、在庫量の調整は常に店側にあり、また担当者に委ねられたものだったので、在庫が多い責任は店の責任だったのだ。
これが、いつからだったか?
本部一括だけではなく、すべての商品の仕入れを本部でするようになってからは、在庫の責任は本部となった。

そうすると、「店は売るだけ」になるし、「売る事に集中出来るだろ」という理論なわけだ。
が・・・、実態として、その地域のニーズってあるのよ。

そこを把握して仕入れを強化する部分ってのは、本部ではわからないわけね。
全店のPOSデータ見てるだけなんで。
ここに気付かない現地の担当者は、地域ニーズに鈍感となり売り上げを落とす結果になる場合がある。

しかし、店側としては、少ない人員でカバーし合っているので。
本部としては「少しでも店側の労力を下げる」って名目でやってるわけだ。
が、これもある意味建前も含まれていて。
「計画仕入れ」「計画販売」って何度言っても出来ない社員は多かったし。
パート比率が引き上げられてからは、パートさんに任せる範囲が増えて行ったから、教育が追い付かなかったり、POS(PC)の使い方が分からない主婦などもいるので、いつまでも在庫コントロールが上手く行かないお店が無くならないわけだ。
このため、本部で一括交渉した方がメーカーからお金が取れるってんで、店側で発注するのは客注や足りない在庫分を仕入れるだけになったわけだ。

自分にしてみれば、若干、手足を取られたに近い状態だけど。
発注を禁止されたわけでも無いので、それと元々在庫コントロールをずっとしてたから、本部一括、自動発注、目視発注とうまく使い分けてた。

だいたい、本部もほとんどは機械任せな発注をしているし。
余程メーカーと商談した商品でない限り、異常な仕入れになることもないのだ。

だから、ある程度予測は可能だった。
問題は、ある一部の商品に偏りのある仕入れが起きてる時くらい。
たぶん、金が絡んでる。w
決算とか、利益とか、ボーナスとか、etc

おかしな話で。
メーカーにオリジナル商品作ってもらってるのに、在庫が滞留してメーカーはそれに原資を乗っけて仕入れてもらうなど、変な取引も行われていたようだった。
そもそも、粗利高いはずなのに・・・である。

そこはメーカーも泣く泣く対応してた感じ。
オリジナル商品から外れたら年間の売上を大きく落とすと分かったので。
多少無理でも付き合わなくてはならなくなったわけだ。

なので「んなこと、ずっと続けてたら、必ず破たんするで」って言ってたわけだけど。
気づけば、その一つが東芝であり、シャープなんだな。。。これが。

商品開発能力が低い商品だと、エンブレムやシールを貼っただけとか、色が違うだけとか、そんなレベルでオリジナル商品があった。
まあ、良くて「抗菌仕様」ってくらいだったり、、、
自社製品なのに、家電量販店ごとにオリジナル商品を開発してるメーカーもあり、ラインを振り分けるだけメーカーの利益も目減りするってものだ。
だから、「差別化」と言う割には、それほど大きな違いにならなかったりすると、販売力を強化するのが目的なのに、商品の魅力が薄れてしまう結果となることもあった。
まあ、あくまでもこれは一部だけどね。
ほとんどの商品は、オリジナルの機能や性能が施されているから、ちゃんと魅力ある商品作りに貢献している。

逆にオリジナル商品開発に乗らなかったメーカーだと、富士通ゼネラルのように市場から撤退する企業もあったわけだ。

国内では90年代以降、家電量販店の販売政策に乗っからないと、まずメーカーが生き残るのは厳しかった。
なぜか?っていうと。
ずっと大昔は、メーカーが主導的に顧客ニーズを掴んでヒット商品を生み出していた。
持ち運べるウォークマンだったり、優雅なステータスの代名詞ステレオだったり、娯楽の王者テレビだったり、時代のニーズであるビデオだったりしたわけだ。

それがいつしか、顧客ニーズを忘れて、「市場データ」や「売上高」に気を取られて、「前年」を意識し「株主」に文句を言われるようになった。
大量生産の弊害として、価格の下がり方も早くなってしまい、商品が出せる利益のサイクルは短くなった。
だから、小手先の新商品ばかりで、まともなヒット商品を生み出せる環境ではなくなったと思う。

また、windows95からPCとネットブームが到来して、販売の主役も交代したのも要因だった。
パソコン、プリンタ、ネット回線のセット販売などが新たな収益源となったし、携帯電話の販売自由化で携帯電話市場が一気に膨れ上がった。
これらにうまく乗れなかったメーカーも、大きく売り上げを落とすこととなった。

しかし、家電量販店ってのは地域に根差した販売をしていたので、ここに乗っかればメーカーは生き残れた。
多少無理なお願いであっても、オリジナル商品開発に乗り出したし、販促費として原資も多く費やされたし、チラシ商材として使ってもらう為に価格交渉も強気で行われた。
それも、2011年の地デジまでで。
そこからは、家電量販店も地域ニーズより「地デジ化」に邁進してた為に、足元が疎かになってしまい、大きく売上と利益を落とし始めた。

気づけば、太陽光発電、新築・リフォーム、化粧品、おもちゃ、ゲーム、自動車、不動産、生鮮食料品、など、あちこち手を出して少しでも売り上げと利益を稼げる為の部署を立ち上げたが、どれも異業種なので、本部担当者の未熟さや業界に無知であることなどから、中身は難航している。

また、企業が持つ歴史と文化の集大成である、POSシステムがそもそもその異業種に向いた仕様になっておらず。
正確なデータ抽出も出来ず、分析も出来ず、暗中模索状態のまま、何年も営業してるわけだから、ずっと売上も利益も足を引っ張る部署になっているのが現状だ。

そもそも、問題を提起しても、理解出来ない首脳陣にも問題あるのだが。
問題を数字に置き換えて、正しく分析し、全員で共有できるPOSという存在が機能していないのだから、そりゃ間違った経営判断に至るのも当然だと思う。

よく「ネット通販に押される家電量販店」という見出しの記事を見かける事があると思う。

これについては「Amazon」を筆頭とした、ネット通販の拡大があるわけだが。
同じように異業種に手を出している家電量販店がなぜ苦戦しているのか?というと、在庫を持つ、持たないという問題だけではないと思っている。
恐らくだが、オイラの推測だと、Amazonなど急伸しているネット通販って会社は、すべてPOSデータで正確なデータ抽出と分析が行われていると思っている。

つまり、あらゆる業種で、その業種に合ったデータの分析が行われているから、経営判断を見誤ってないと思うのだ。
例えば、CDや書籍など、趣味趣向品で使われるデータ分析だと「ロングテールの方式」ってモノを使うんだが。
家電量販店の場合だと、家庭用必需品の集中販売をするので「ABC分析」ってモノを使うのだ。

ABC分析の他に「2:8の原理」だとか、とかく集中販売をする理論ばかりなので、これを趣味趣向品に置き換えてデータ抽出すると、とんでもなく大間違いな判断を下すことに繋がる。

例えばだけど、「仮面ライダーベルトが売れている!」という事になると、ABC分析上ではトップに上がる。
通常であれば、この商品をたくさん仕入れて、品切れを起こさないようにすれば、売上と利益が確保できる仕組みだ。
しかし、おもちゃで売り上げのトップと言えば、「次回入荷未定」「メーカー配分」となるので、思うように仕入れが出来ない。
仮に、ブームが一巡して通常仕入れが可能になって「仮面ライダーベルト」を大量仕入れすれば、たまごっちブーム終焉と同じく、在庫が市場に滞留して、在庫負担が増えて在庫倒産しかねないのが趣味趣向品の特徴なのだ。

この他、詳しい説明は長くなるので省くが、データ分析に興味のある人は調べてみるといい。
また、ネット企業の場合は「クリック率」や「インプレッション」「CPI」など複数の指標を持っているので、顧客ニーズの動きに敏感ってのも伸びている要因だろう。
これまでは、メーカーや地域販売店が経験則から無意識に人海戦術でやってた事を、機械的にデータ化し分析して活用しているのだから、そりゃ分の悪い戦いをしている。

ということで。
自分たちが使っている分析ツールをそのままにしておいて、異業種をドンドン取り込んでいったら、そりゃ経営の足を引っ張ることになるのは「あ・た・り・ま・え」なのだ。

と言う事で。
恵方巻の話から少しそれてしまったが「腐らない商品」を扱っている仕事をしていても、実態として「腐る」って現象はあるのだ。
それを「滞留」とか言うのだけどね。
そのために、データってのは重要性がある。

また、データは過去の販売実績の積み重ねなので。
「これがこれだけ売れている」とか抜かしている売り場担当者、さらには店長や経営者だとしたら「タダのアホである」。
先ほども話したように、本部がごり押しで仕入れた在庫を担当者が馬車馬のように販売に注力をしていたら、「そのデータ(顧客ニーズ)は本物ですか?」ってことになりかねないわけね。

このことから、データ至上主義者は、データによって在庫の滞留を招いてしまうのだ。

データはあくまでも過去販売実績の積み重ね。
その中身については、担当者にしか分からない。
そして、その中に顧客ニーズが潜在的に含まれている。

ここを見落とすと「腐らない商品」を扱っているのに「商品が腐る」という現象、つまり滞留が起きるわけだ。

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