2023年8月23日水曜日

家電量販店時代の苦労話

小学生~中学生にかけて「ゲームの流通とは?」と考えていて

その多くの疑問は高校生時代にブルート呉店で知りえて、だいたいは理解した

この「だいたい理解した」という部分で、僕は十分で

元々「感覚派」らしいので、全体の流れや総量がわかれば、あとは肌感覚で理解してしまう気質なわけだ

これは仕事としてみた場合、かなり危ういw

けど、そういう風に身についてしまったのだから、反面「しょうがない」

肌感覚で覚えてるものだから、「これ何本売れる?」となれば、即断で「20」とか言えるわけだ

これは店規模というか、売り上げ規模にも対応していて

「この店なら5本だな」とか、そこにも応用できる

僕がデオデオネバーランド本店でゲーム担当やっていて

その次にデオデオ佐賀本店ネバーランドへ勤務しても

店規模が大きく縮小するわけだけど、なんら困らずいたのは、そういうことだ

逆を言えば、佐賀本店でも「MAXここまでなら売れる」という最上限もわかる

佐賀本店時代

本部から送られて来るネバーランドの計画予算、当初こそ本部がミスってアホな計画になってたけど

翌年からまともな計画数値に落ち着いた

このまともな数値計画を見て思ったのが「楽勝」だった

実際、計画に対して130~160%くらいで推移していたのでな

けれど

5年くらいネバーランドに在籍してたけど

上司、同僚、部下からは「宮本さん、なにやってんすか?」レベルで理解されないで終わった

これは家電量販店と言う、ルールというか、文化というか、そういう事から逸脱した存在だったと認識はしている

逆を言えば「異業種なんだから当たり前」なわけだ

が、これが理解されなかったわけだ

この部分は、未だにストレスを感じる

「数字はやっている」「ほかの人はそんなに売ってない」なわけで

数字だけ見れば、僕のやってる事が正解なのは間違いないのだけど

理解されないのだから、正解と思われないわけだw

元々ゲームの販売はデオデオ広島本店のみの扱いだった

なので、前年と比べられず、まして店規模によるデータも無い

であれば「こいつの言ってる事、やってることが正しいのか?比較できない」というわけだ

実際問題として、僕が抜けた後のデオデオネバーランド本店はゲームの販売力を失い、達成率で1位から2位、3位へ転落した

そして、最下位だった佐賀本店は、僕が在籍してから達成率で1位になった

これ以外、他に説明のしようがないのである

あの頃、まだ30代前半だったが

僕は幼少期から流通に興味を持ち、高校生で流通に携わり、経歴だけで見れば20年くらい積み上げて来たものがあるわけだ

だから、家電量販店で10年、20年、30年、勤めている人らがいても

圧倒的な知識量と経験で勝てるわけがない

逆を言えば、家電製品に限定してれば、僕に勝ち目が無い人だっているわけよ

社歴が長い人だとね

現実として、店長以下すべてのスタッフが、これに気づかず

そして、僕のバックボーンに興味すら持たなかった

これが理解されない要因だと自己分析している

一言でも「なんで知ってるの?」と聞いてりゃ話をするけど

自分からペラペラしゃべりなんかしない

ずっと怪訝な顔をされて「なんで?」って思われていた

アホくさいんで、相手にしなかったのもある

あの頃は、仕事に忙殺されてたしな

今は暇なんで、ペラペラと書き込んでるけどw

心の中では「もうちょっとアツく取り組める仕事ねぇかな?」みたいな気持ちはどこかにある

まあ、体調的にも体力的にも、厳しいので、難しいことは承知してるけど

いい時期を知ってるだけに、「もう一回、ワクワクしながら仕事してぇな」って思ってしまうわけよ

同時に3/3に透析を始めて

「もう、僕の時代は終わったな」って感じてる部分もある

「僕らが携わっていた、輝かしい時代は、たぶん、もう二度とやって来ないんだろうな・・・」と


家電量販店の文化は「接客」だ

接客しなきゃ物は売れない

しかし、CD、書籍、ゲーム、おもちゃというものは、基本的に接客を伴わない

「在庫」で商売している

家電量販店だと品切れや欠品があったとしても、それは接客を伴うものだから

後日配達、入荷ご来店など、方法はいくつかある

エンタメ商品というものは、在庫が無ければ客は帰る

「置いてない=扱っていない」とさえ思われてしまう

そして、一度商品が無く「ここは置いてない」となれば、ほぼ次の来店は無い

これは大原則なのだが

家電量販店には無い考え方なので、どうしても理解されにくい

そして、売り方なのだけど

接客を伴う反面、接客ツールなるものが存在する

それがPOP、ショーカード、機能タグなどだ

特徴となる機能、本体設置寸法、容量、馬力、消費電力と言った情報を提示することで、販売しやすい環境を作るわけだ

しかし、エンタメ商品にこれらを付けても、売上に関与しにくい

なぜならば、目的買いが主流で、これら商品情報は二の次なのである

が、家電量販店の店長はここにこだわる

店長に良く言われてたけど「お前の売り場は面白くない」と

これはショーカードやPOPが少ない事を指していた

確かに「あればいい」とは思う

しかし、売上に直結するとは思わない

むしろ、その時間を店のメンテナンスに当てる方が遥かに売上に直結する

入荷すれば即展示

売り切れれば即撤去

エンドの新作告知など、映像を流して、日付と価格さえ書き込んでいれば十分で

凝りに凝ったエンド演出をしても、予約の数が倍になることはない

僕の後任となる契約社員が、ドラクエ10のエンド作成に1週間もかけて作っていたが

「無駄」としか思えなかった

事実、その月の計画は未達だったでな

エンドなんて、それこそ欲を言えば、週ごとに変えてしまった方がいいくらい

ドラクエ、FFはさすがに3週間から1か月くらい前から続けるけど

他のタイトルは1週間が妥当

なので、エンドの作成には延々と時間をかけ

一度作るとずっとそのまま

そして、他の時間でショーカードを作る

じゃあ、店のメンテナンスは?

「そんなのやる暇がない=売り上げが悪い」

これが未達の理由だ

しかし、ここで気づかないわけだ

「売り上げが悪い=もっと目立つようにショーカード、POPをつけろ」となる

これじゃ、悪循環でしかない

そして、売れた商品の補充についても興味を失うので

ずっと欠品したままの売り場が出来上がる

残るのは、売れ筋の商品だけ

その他の商品は在庫なし

これは「売り上げが悪い=在庫規模を縮小せよ」という流れになる

家電量販店はキャッシュフローなので、月内仕入れ、月内販売が基本

僕はこの流れと対照的な仕入れをしていた

年度末、「決算なので在庫を圧縮せよ」と本部から言われる

売れ筋の商品だと、常時100~200本くらい在庫を持っていた

これを1週間の販売本数ギリギリの130本くらいに圧縮する

他の人だと、売れ筋を圧縮せず、在庫が1~2本の所を圧縮するのよ

なぜか?というと「普段売れてないから」というわけだ

しかし、この部分は「ロングテール」という法則から言えば、テール(尻尾)部分なので、ここを切るとお客さんは「無い店?」って思われてしまう

結果、全体での売れる量が減る

会社の考えというか、上司の考えとは真逆な方向を向いているので

まったく理解されない

「まあ、いずれ経験積んで、数字もみたらわかるようになる」と思っていたが

ダメだったwww


デオデオの分析方法で多用されていたのがABC分析である

これはWSに標準で搭載されている

大雑把に言えば売り上げの上位を占めるAもしくはBの在庫を持った方がよく、Cはあまり持つ必要が無いという考えである

ここまでで、僕が「在庫」にこだわる事と真逆だと理解できるはずだ

そして、「ロングテール」という考えとも真逆

なぜそうなるか?

一番の理由は家電量販店は「家庭用必需品」を売っていることだ

逆にエンタメ商品は「趣味趣向品」なので、生活に必要無い

ここが決定的に違っている

なのに、だ

テレビゲームの販売分析すらABC分析を使うのである

そもそも、使っている人に「ABC分析とはなんぞや?」という基本的理解が無い

「会社がこれを使えと言っている、Aを重点的に在庫持って売ってればいい」

単純にそう教わっているからだ

これ、支店だけじゃなく、本部の商品MDも同じ思考してたでな

説明しても理解出来ないんで、相当苦労したで

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